賢明なる個人投資家への道
はじめに
中学2年で貯金40万で投資を始めて2021年で投資歴は33年になり累積利益は4.5億円をこえた
前著「貯金40万円が株式投資で4億円 元手を4000倍に増やしたぼくの投資術」ではバリュー株投資をメインに話をしたが、基本的な部分を知りたいとの要望から、本書を出した。
目先の金儲けではなくあくまで中長期的な視点で株式投資で向き合い、正しい情報を得つつ自分の頭で考えて、失敗しながらも自分自身で銘柄選定や売買の判断を下すのが「賢明なる個人投資家」の第一歩
正しく実践すれば、株式投資は人生を豊かにする最良のパートナーとして専業ではなく、兼業投資家としても資産1億円の「おくりびと」を目指せる
基礎編@お金の本質を知る
お金の価値は70年で8分の1に下がっている
お金の本質とは、時間とともにその価値がだんだん下がっていく点にある
明治13年の1万円は、令和元年では5342万円の価値がある。つまりこの140年間でお金価値は5342分の1に下がっているということ。
昭和24年(終戦直後)から比較しても約8分の1になっている。
余ったお金を現金で保有するのではなく、どのように保有するのが正解なのか。その方法を考えていくのが資産運用の原点であり、その最適解の一つが「株式投資」
日本はデフレなのか、インフレなのか?
インフレというのは、物価の上昇ではない。お金の価値の下落。
逆に言えばデフレは物価がさがることにより、相対的にお金の価値が上がる。
デフレになると、企業はどんどん物の価格を下げざるを得ない。そうなると、企業の業績が悪くなる。
バブル崩壊以降、日本はデフレスパイラルに入った。その要因は下記3点
- 少子高齢化
- 賃金が上がらない
- 対外的に見て円の価値が強い円高状況
日本の現金主義は世界的に見ると「異常」
日本銀行が発表した2021年4月から6月の「資金循環統計」によると、個人(家計)が保有する金融資産は1992兆円。そのうち現金預金が1072兆円で過去最高記録を更新した。全体の53.8%を占める
さらに自宅に現金として保管する「たんす預金」は102兆円。
タンス預金の総額は、日本の国家予算に匹敵する規模
100万円を銀行預金に預けても、利息は年間たったの20円。これでは複利で何年運用してもまったく増やすことはできない。
対して、日本で個人が株式などに投資している金額は、金融資産全体の10%、投資信託はわずか4.3%。これは世界的にみても極めて異例
アメリカの個人が株式投資している割合は、日本の3.5倍以上。
デフレは終わり、インフレが進もうとしている
金余り=インフレであり、余ったお金は主に株式市場と不動産市場に流れ込んだ。
特に、劇的にインフレが進んだのが、日本のマンション市場。そこではこの10年でマンション価格が1.65倍になった。
つまり、これは2010年の1万円は、2021年には6250万円の価値しかないことになる。
ディズニーチケットを基準にすると1万円は5000円の価値しかない
ディズニーランドのチケットは毎年値上がりが続いている。当時3900円が2021年現在は9400円で2倍以上。
これはディズニーランドのチケット代を基準に考えるなら、1989年の1万円は、30年後ではおよそ半分の5000円の価値しかないということ。
ただし、食べ物などの生活必需品の値段に限っていえば、日本の物価は後進国並みで、それが商社物価指数がいつまでたっても上がらない理由。
お金の価値が下がるのは宿命のようなもの
インフレでお金の価値が下がるようになったのは、「不換紙幣」の時代になってからのこと。
不換紙幣とは、簡単にいえば、金や銀と交換できない紙幣のこと。(過去は兌換紙幣としていい、金などに交換できることによって紙幣に価値があった)
最終的に、1971年のニクソンショックにより、ドルが兌換→不換になったことにより、紙幣は無限に発行することが可能になった。これがインフレの要因。
信用が崩壊した瞬間、金融パニックが起こる
金、銀の裏付けがなくなった不換紙幣は、その国の政府の信用力によって価値を保つことになる。
その国の信用がさがると、紙幣自体の価値がなくなり、最悪ハイパーインフレーションがおきる。
第一次大戦に敗れたドイツは戦前の1兆倍、同様に2000年初にアフリカのジンバブエも2億倍のハイパーインフレが起こっている。
信用をベースにする不換紙幣で日本経済が回っているので、その信用が崩壊すれば金融パニックが起きるのはゼロではない
そうした金融パニックに備えて、自分の資産を現金以外の方法で持つことを考えるべき。その選択肢として、株式投資がある。
株式は現金より信用度が高い
信用としう視点で見直すと、株式投資の新たな魅力が見えてくる
株式には、奇病のビジネスや資産といった信用の裏付けがある
個別企業の信用性が評価できないなら、投資信託などに投資する手がある
これは「インデックスファンド」と呼ぶが、いろいろな株式の詰め合わせセットと考えればわかりやすい
基礎編Aお金は株式にするのが正解
インフレに勝てるのは金と株式、なかでも株式が優位
お金を現金のままおいておくと、インフレで価値は下がる。
お金は「利息」と「時間」という2つの要素の掛け算によって増えていく
過去のデータから、インフレに対応できるのは、貯金でも国債などの債券よりも、株式や金(ゴールド)だとわかっている
70年間で日本の株式はおよそ200倍。金はおよそ11倍になっている。金はインフレに強いと言われているが、さらに株式はインフレに強い
株式で福利効果をフル活用
お金は「利息」と「時間」で増えるが、株式投資はさらに「福利」の力を使える。
福利とは得られた利息を再投資することで、利息が利息を生み出す仕組み
日経平均株価やニューヨークダウといったインデックスファンドでは、平均すると年率7.4%ほどの利回りが期待できる。これを複利で運用し続けると10年後に元本は2倍。20年後だと4倍になる計算。
私の過去20年の株式投資の利回りは福利で27%。10年で元本が10.9倍。20年で119倍になった計算。
会社員の兼業投資家のみなさんでも、株式投資にきちんと向き合う習慣をつければ、年利15〜20%の成績をあげることは十分可能。
個別株投資で年率15〜20%の成績をあげられれば福利効果で十分に資産1億円突破の「おくりびと」が狙える。
暴落を乗り越えて力強く成長
ニューヨークダウも、ナスダックも日経平均株価も、暴落を何度も経験しながら、長期で見ると力強い右肩あがり。
株式投資は常に買い手と売り手がいて短期的には損益が相殺される「ゼロサムゲーム」ですが、中長期的には参加者の損益を合計するとプラスになる「プラスサムゲーム」
米国株では15年。日本株でも20年投資を続けていれば上昇と下落が打ち消しあって、元本割れのリスクが無くなるというデータがある
実は日本株こそ最強
ニューヨークダウと日経平均株価を比較すると、利回りはどちらも7.5%とほぼ同等の数値。長期で見ると、日本株をも米国株に負けず劣らず頑張っている
インデックスの利回りは日米ともに7%程度だが、日本のバブル期のように年30%も上昇して高い山を作るのは5年分の利回りをいわば「前借り」している状況
つまり、日経平均株価も、バブル期の山を無視して曲線を描くと全体としては緩やかに右肩上がりとなっている
成長率が高いナスダック総合指数よりも日経平均株価のほうが、為替レートを勘案すると、パフォーマンスが高い
できるだけ早く始めた方がいい
複利で効率的に資産を増やすには、どこに投資してどの程度の利回りを得るかということ以上に長期にわたって投資を継続することが重要
そもそも株式を買うタイミングでいつが最適かは、あとで振り返って初めてわかるもので事前に知ることはできない
仮に1989年のバブル頂点からインデックスを買いはじめ、2021年まで約30年間決まった金額を「ドルコスト平均法」でインデックスファンドに投資していたら、最終的な損益はプラスになる。
この手法を使えばたとえ最高値のバブル期から株価が下落を始めた最悪のタイミングでスタートしたとしても、株式投資を長く続けることで利益が得られる
なぜ不況なのに株高が起こるのか
2020年はコロナ禍であったとしても、株価はあがった。これを不景気の株高といい、別名スタグフレーションを言う。
不景気になると、個人も企業も金を使わなくなる。そうなると金余りの状況になり、その金がどこかに行くかといえば、株や不動産に行く。
そして流動性で判断する限り、不動産よりも株に分配があがる
安く買って高く売ることが狙いではない
私が目指す中長期目線での株式取引は、安く買って高く売って現金を増やすことでは無い。その理由が下記3点
- 株式をお金に変えてると、複利のパワーをいかせない
- 今が高値か安値かは誰にもわからない
- 株式を売却するとインカムゲインも同時に失われる
FXや暗号通貨がお金の置き場所として適切ではないわけ
それは、FXや暗号通貨が、ファンダメンタルズと呼べるものはない。つまりは値動きを予測するための指標がなく、割高か割安かを判断できない。
株式は資本主義に参加するチケット
資本家とは、企業に資金を提供する人
資本家になる方法はいろいろあるが、もっとも簡単なのは企業の株式を保有すること
株式は資本主義に参加するためのチケットのようなものと考えている
もし上場企業で気に入った企業があればその企業の株式を買って株主になることでその企業の所有者(パーシャルオーナー)になることができる
株式投資はクラウドファンディングのようなもの
起業家は失敗したら自己責任が生じるが、株主は有限責任なので、株式の価値がなくなるだけ。それ以上の責任を取らせれる必要はない
最近は最低単元(100株)を下回るミニ株取引ができる証券会社も増えて、1株からでも購入できる。
応用編@投資家として成長する
資産1億円はどう狙う?
他人に儲かりそうな銘柄を教えてもらってもそれは意味がないし、続かない。
自分の頭で考えて、自分にあった銘柄を見つけていくという過程が大切であり、その積み重ね株式投資で資産を築く第一歩
私は株価変動率の低いバリュー株(割安株)を選んで評価されるのをじっくり待つ投資スタイル
投資先が倒産する確率は6%
バブル崩壊後の1991年から2021年の30年間で、上場企業のうち倒産したのは236社。全上場企業を母数にすると、倒産確率は約6%
倒産した上場企業の寿命は平均23.9年
統計上7銘柄に投資すれば、リスク分散されているといわれている。そのすべてが倒産する確率は限りなくゼロに近い。
リスクを減らす3つの分散投資法
2021年現在私は24銘柄に分散投資をしているが、それは資産が3億円を超えているから。
資金が数百万までは3から5銘柄。数千万円規模であれば、最大10銘柄程度がいいかと思う。
分散投資には下記3つがある
- 投資スタイルで分散
- 業種(セクター)で分散
- 株価のトレンドで分散
3つからどの方法を選ぶにしても半年か1年ごとに定期的に観測して、投資判断が間違っていなかったかを検証する必要がある。
信用取引には安易に手を出さない
信用取引は、そもそもできるだけ長い間株式市場にい続けるという趣旨に反する。強制的に売却しないといけない状況にもなる
信用取引で失敗して投入した資産以上の大きな借金を背負うと前進のチャンスさえ得られないまま、株式市場から退場となる
できるだけ多くのお金を証券口座に移す
会社員の兼業投資家であれば、日々の生活は毎月の給料でまかなえているはずなので、できるだけ多くのお金を証券口座に入金してキャッシュポジション(証券口座内の現金買い付け余力)を残さず、現金比率を抑えた「フルインベストメント」によって攻めの投資姿勢にしてもよい
手持ちのお金をどの程度証券口座に移せるかはどのくらいのリスクを許容できるかで異なる
証券口座に入金するときに「ちょっと怖いな」と感覚的に思うようになったら、その入金はひとまずやめた方がいい。
余裕資金からチャレンジ資金へと発想転換
証券口座に入金したお金は「チャレンジ資金」だと思う
チャレンジ資金とは、そのままの意味で、株式投資にチャレンジするための資金という意味
ゴルフや釣り、ランニングなどは回収できないお金が出ても不満におもわないのに、投資てでは「投資した資金を失いたくない」というのは変な話。そこはチャレンジ資金だと割り切ってしまうと、損をしたときも気持ちが楽になると思う。
フルインベストメントがベスト
証券口座内に現金をほぼ残さず株式で全力運用するスタイルを「フルインベストメント」という。
フルインベストメントはリスクが高いから、キャッシュポジションを50%くらいにして半分ぐらいを現金で持っていた方が安全という主張もあるが、自分はそうは思わない
そもそも証券口座に入れた資金は生活に支障のない余裕資金が前提なので、証券口座のお金はできるだけ株式投資にまわしてお金に働いてもらう。
銘柄を入れ替えてポートフォリオをリフレッシュ
フルインベストメントだと、買い付け余力の現金がないので、欲しい銘柄がでた場合に、今保有している銘柄を売って、買い付け資金を調達する
株式投資はポーカーと違い、何を捨ててどんなカードを新たに入れるかは自分で決められる。入れ替えによってポートフォリオがリフレッシュされるので、いいカードだけが元に残る。
ポートフォリオをリフレッシュする際に、何を売るべきか?統計的には一番含み損が大きくなっている銘柄ががよい。
銘柄の含み損が増える理由は下記3つ
- 割高で買った
- 企業に悪材料が出た
- 市場全体の値動きに影響を受けた
もし上記3つとも当てはまるのであれば、この先持っていても反転する可能性が低いから、資金効率を高めるためになるべく早く処分する。
もっとシンプルに言えば、自分の保有銘柄を眺めて「現在の株価でまた買いたいと思うか?」で判断するのもあり。
セクター別にどう投資先を検討するか?
コロナ禍での業績では同じセクタ内でも明暗をわけた。特に外食産業。
マクドやケンタッキーは株価は好調だが、ワタミやすかいらーく等は赤字で下がった。
同じセクタ内で業績にはっきりした差がでている場合、それを契機に業界内の淘汰が一気に進む可能性がある
同一セクタで全てが赤字を出した業界もある。代表は鉄道業界。
ただし同一セクタでの企業が軒並み赤字という状態はずっと続くわけではない。特に鉄道業界が倒産するなんてまずは考えられない。
株価が下がっている時こそよく見た方がいい
下がっているときはあえて株価を見る勇気を持ち、上がっている時はチェックは不要
日経平均株価が横ばいなのに、保有銘柄だけが下がっている場合、その理由をを見つけるようにする。
その理由を端的に表したのが、4半期ごとに発表される、「有価証券報告書」や「決算短信」。これらは企業の総合的な評価であり本質的な価値が示されている。
投資家として成長するには、通信簿を見るように、これらをチェックする癖をつける
投資の成否はインデックスとの比較で判断
インデックス投資を長期で運用すれば、年率7%程度。それでもあくまで個別株投資をするのは、インデックス投資のパフォーマンスを上回るリターンを得るため。
投資した金額に対して何パーセントプラスになったかではなく、その年のインデックス投資と比較して利回りを上回っているかを一つの指標とする。
10年間個別投資を続けてきて、その間のインデックス投資の平均利回りに勝てないとしたら、むしろ個別株投資から撤退して、インデックスにフルインベストメントするべきだ。
「入金投資法」はインデックス投資向き
兼業投資家の場合は、毎月給料が入ってくるので、一定額を証券口座に入金も可能。それを見据えての入金投資法を三つのアドバイス
- 入金投資法はインデックス投資向け(個別株投資だと入金のタイミングで買いたい銘柄があるかわからない)
- 個別株投資をメインにする場合でも元手が500万えんくらいになるまでは証券口座への追加入金を続けた方がいい
- 投資資金が増えていくにつれて入金による影響も少なくなると理解する
いつまでも追加入金に頼った投資をしていると「損をしてもボーナスで補填すればいいや」と考えるようになり銘柄選定が甘くなる
他人がすすめる銘柄をうのみにして買ってはいけない
株式投資は他人の推奨銘柄を買って儲かるほど甘くはない。一時的に大きく下がった際に損切りしてしまったり、あがるまで待つことができない。
自分の頭で考えることを放棄すると個人投資家として成長につながらない。株式投資の楽しみも奪われる
株式投資もクラファンのようなもので、他人のおすすめ等は関係なく、あくまで自分が気に入ったものを出資する。
自分で考えて投資をして結果損をしたとしてもそれはいい勉強としてポジティブにとらえることができる。それが賢明なる投資家への道となる。
値上がり狙いか、配当金狙いか
一概にどちらが優れた投資というのは言えないが、少なくとも資金が小さい時は、値上がり(キャピタルゲイン)を狙った投資をするべき。
株価は企業の本質的な価値があがるにつれて上昇するが、配当金をたくさん出す企業は成熟産業が多く大きな株価上昇は望み薄
配当利回りは未来永劫保証されているわけではなく、企業の収益が悪化すると減配の可能性がある。そうなると一気に株価の減少を引き起こす場合がある。
「PBR」「PER」「FCF」くらいは押さえておく
PBR(株価純資産倍率)
企業がもっている「純資産」に対して株価が割高か割安かを示す指標
私独自の基準で0.5までだと割安。0.4までで超割安。0.3までだと激安と評価
土地や不動産などを持っていながら、PBRに低い銘柄に投資する方法を「バリュー株投資」という
PER(株価収益率)
企業の収益(利益)に対して株価が割高か割安かを示す指標
PERの逆数(その数にかけ合わせると1になる数)を株価益利回りとして参考にしている。例えばPERが10倍だったら、毎年10%の益利回り。PERが5倍だったら、毎年20%の益利回り。
FCF(フリーキャッシュフロー)
企業が経済活動で得た現金キャッシュフローから設備投資などで得た投資キャッシュフローを引いたもの
企業が自由に使えるお金のことで、個人で言えば、給料から税金や社会保険料を差し引いた振り込まれる額のこと
FCFが黒字の会社は使えるお金が潤沢にあるということで潰れることはまずない。株価への還元も期待できる。
応用編A株式投資の5つのステージ
資産1億円に向けたロードマップ
- ステージ@500万未満→年間期待運用収益50万未満
- ステージA500万以上1000万未満→年間期待運用収益50万以上100万未満
- ステージB1000万以上3000万未満→年間期待運用収益100万以上300万未満
- ステージC3000万以上5000万未満→年間期待運用収益300万以上500万未満
- ステージD5000万以上1億未満→年間期待運用収益500万以上1000万未満
ステージ@500万円未満
- 効率重視→投資よりもタネ銭づくりに専念
- 毎月の給料やボーナスに余裕があれば追加入金
- 節約は必須。無駄なことはとことん削減
- 分散投資と節約を兼ねて、優待利回り5%以上の銘柄に投資もあり
- 身近で自分が得意なBtoCから投資先を決める
- 最低2単元(200株)買ってみる
タネ銭を500万円に増やすことが第一関門
500万たまらないで、例えば100万たまったところで投資をしてしまうと、それがたとえ利回り10%を達成しても、結局10万にしかならない。
そういう意味で、投資より先にタネ銭作りに力を入れたい
タネ銭を増やす一番確実な方法は、給料やボーナスから一定の金額を定期的に証券口座に入金するという方法
追加入金以外であれば、オードソックスながら、節約も大事
生活の質を落とさずに自分の支出を見極めて、節約できた分を証券口座に追加入金してゆく。
タネ銭を増やすには節約が一番効く
節約で最初に手を付けるのは、固定費の削減
携帯電話を大手3社のを使っているのであれば、大手のサブやMVNOでほぼ同じサービスで格段に安くなる
住居費(家賃)の見直しも大きい
現金で支払いは今の時代ナンセンス。クレジットの一括払いが基本
BtoC(消費者向け)銘柄から投資先を探す
投資と節約をかねて優待利回り5%以上の銘柄を買ってみるのはよい
どの銘柄がいいかわからない場合は、自分にとって身近なBtoC(消費者向け)銘柄から探すのもおススメ
人は得意分野があるので、自分の得意分野であれば、他人よりもその業界に詳しいはず。
なにも得意分野がなけば、自分が働いている業務でつながりが深いものを探し見てほしい
最低2単元(通常200株)を買ってみる
それには理由があって、ずばり売り時。200株を持っていると売り時を迷っているときに、100株だけ売り事ができる。
ステージA500万から1000万円未満
- 追加入金を控えて真剣勝負
- 国民年金並の収益を期待(最低限の生活の支えが得られる
- 自分に合った投資スタイルの確立
- 3から5銘柄に絞って徹底的に調べてから買う
自分にあった投資スタイルの確立
個別株投資の主なスタイル
- バリュー(割安株)投資・・・資産に対して割安株に投資する方法、利益に対して割安株に投資する方法がそれぞれある
- グロース(成長株)投資・・・将来売り上げや利益が見込める企業を探して安いうちに投資する
- 高配当株投資・・・配当利回りが高い銘柄を選択して投資する
- 優待株投資・・・お得な株主優待制度を行っている銘柄に投資する
- IPO株投資・・・新規公開株を割安な公募価格で投資する
3から5銘柄に分散投資
1から2銘柄にこの金額で集中投資は危険。
中小企業の株は、年間でマイナス50%かラプラス50%までリスク範囲が大きい。(逆に成熟企業は小さい)
あまり過度に分散投資もよくない。適当なのはやはり3から5銘柄
分散しすぎない方がよい3つの理由
- 分散すればするほど、1銘柄にかける金額は少なくなる
- 分散すればするほど、1銘柄に対する分析やチェックが甘くなる
- 購入後に株価が気になるのは、事前の下調べが足りない証拠。徹底的に調べて本当に良いと思える銘柄だけを絞り込む
ステージB1000万から3000万円未満
- この先何を狙うのか、改めて目標をはっきりさせる
- 資産をもっと増やしたいなら、銘柄数とロットの組み合わせを最適化する
- 株主優待を楽しむという方向けにシフトする選択もあり
- 個別株投資の成績がインデックス投資に劣る場合、インデックス投資もあり
資産拡大に立ちはだかる壁
この先もステップアップして億り人を目指すのであれば、このステージまでに培った投資スタイルをより洗練させて、3から5銘柄の適度な分散投資を続ける
株式投資の大きさに応じて銘柄数とロット(単元数)の組み合わせをうまく調整できなかったのが足踏みを強いられた要因
貯金ゼロの開業医が株式投資に目覚めたら
1000万以上の資産を築いたのであれば、以降はなるべく資産を減らさずにリスクを減らしたいという場合もある。その際におススメなのが株主優待投資とインデックス投資
株主優待投資なら優待が発生する一単元(100株)ずつ買って数十銘柄に分散投資するのもあり
ここまでの個別株投資の成績がインデックス投資で期待できる平均利回り7%を下回っているのであれば個別株投資→インデックス投資にきりかえるのもあり
ステージC3000万から5000万円未満
- 金融資産で上位20%に入り「アッパーマス層」の仲間入り
- 会社員の平均年収に近い収益が期待できる
- 銘柄数を最大10銘柄まで増やす
- FIRE(経済的自立と早期退職)が目指せる
- 守りに入って住宅ローンを返済する
年利10%でFIREを目指すのもアリ
このアッパーマス層では、銘柄数を少し増やした方がいい。(1銘柄当たりの投資額が大きくなりすぎる)
一般的に7銘柄以上で十分に分散投資になるといわれているが、切りよく10銘柄を目安にするのも悪くない
FIREの基本プランは年間支出の25倍の資産をきづいたら、あとはそれを年利4%で運用する
個別株の運用で年利10%の収益をあげられるとしたら、ステージ4の段階でもFIREできる計算になる
インデックス投資で堅実に資産増を狙うのもアリ
ここまで築いた資産を守るため、この段階で個別株投資からインデックス投資に切り替えたとしても、5年後には4260から7100万円。10年後には、6000万円から1億円の資産を築くことが期待できる
ステージD5000万から1億円未満
- 平均的なサラリーマンの2倍程度の収益が期待できる
- 個人投資家としてのメンタルの強さが問われる
- 株価変動を金額ではなくパーセンテージで見る習慣をつける
- インデックス投資との比較で評価する
- メンタルに自信がもてないなら、バリュー株投資を考える
- 配当金は再投資。あえてハイリスク・ハイリターンに賭けるのもあり
- 人生との向き合い方を考えて、ライフスタイルのリセットも視野に入れる
メンタルの強さが必要になる
コロナ禍で株式市場が急落したとき、私は1か月で最大1億円のドローダウンとなった
このステージになると一時的に大きな含み損を抱えて落ち込むことも出てくる
含み損を絶対的な金額で捉えるのではなく、パーセンテージで捉えることで、精神的ショックが多少和らぐ
日経平均と比較してみて、保有銘柄の下落率を考える。(日経平均が10%さがって、保有銘柄が5%だけ下がっていればむしろ優秀)
メンタルに不安がある人こそバリュー株投資
その気になれば1日中株価の上げ下げを確認できたが、それが嫌になり、株価変動率が低いバリュー株投資を選び時間をかけて手堅く資産を増やす投資スタイルを確立した
このステージになると、配当金による収入も年間500万程度となり、それだけで会社員の年収とほぼ同じ。
配当金は「株式数比例配分方式」で証券口座への入金を選び、そこから出金することなく、再投資にまわすようにする。
配当金の再投資でハイリスク・ハイリターン狙い
労働収入で得た100万と配当金で得た100万は明らかに重みが違う
配当金が元でなら、「仮にゼロになっても、もともと配当金だから」と思えるので、思い切ってハイリスクハイリターンの投資にチャレンジできる
富裕層の資産は、あるレベルを超えると加速度的に膨らむ。その理由はハイリスクハイリターンが抵抗なくできるから。
一度立ち止まって人生をリセットしてみる
このステージの最後のアドバイスは、人生への向き合い方を改めて考えて、ライフスタイルをリセットすることも視野に入れてみる
株式投資で稼いだ金を、いったいどうするのか?何に使うのか?使わなければ幸せにならない。
投資の時間を減らして、その分健康や家族サービスにつかうことで、人生の幸福度はむしろ向上する
番外編@本質的な価値を見極める
価値は「時間」「時期」「トレンド」で大きく変わる
時間で価値があがるものは、骨董品、ワイン、ウィスキーなどがある
トレンドで価値が変わる代表例
多くの人が実感しているのは、コロナ禍のマスク
トレンドの変化により価値が変わる代表例として絵画などの美術品がある。
1億円の値をつけるカード
アニメのセル画も価値が上がっている
100年異常価値が残るもの
特にピンクダイヤモンドは1カラット1億円という半端ない状態
本質的な企業価値を見極めた投資
株価は5年、10年というロングスパンで見ると、その企業が持っている本質的な価値に収束する
企業の本質的な価値を見極めるには、3つの指標がある
- インカムアプローチ・・・事業から期待される利益やキャッシュフローに基づいて価値を評価する方法
- コストアプローチ・・・企業の貸借対照表に表示される純資産から評価していく手法
- マーケットアプローチ・・・同じセクター内における類似企業を比較する方法
2番手、3番手こそチャンスあり
まだ誰も興味を示さない銘柄にいち早く投資する必要はない。
投資で大切なのは、大底で買って、一番高いところで売る必要などない。ある程度盛り上がったところで購入しても十分先行者利益が取れる。
これらに乗り遅れないために、まずは日頃からアンテナを高く伸ばして、経済や社会の動きに注目しておく
日本円だけでなく米ドルや金価格をベースに株価を評価
日本円ではなく金価格をもとに日経平均株価をみると、日本株は決して高値とは言えない。
金価格ベースで日経平均を見ると、2021年の価格は2004年の価格のおよそ半分ということになる
日本の株式市場の約7割は外国人投資家であり、彼らは円で見ているのではなく、米ドルベースで株価を見ている。
「有形資産」だけでなく「無形資産」にも目を向ける
例えばコカ・コーラが150円、無名のコーラが120円であれば、多少高くてもコカ・コーラを選ぶ人が多い。これが無形資産。
アメリカのIT企業である、GAFAMはいずれも、有形資産よりも無形資産が大きい
「10万円記念硬貨」を評価する2つの視点
昭和61年に発行された10万円硬貨は、1000万枚発行しており、コレクターとしての価値は低い。
しかしこの硬貨は20グラムの純金が使われている。つまり金貨としての側面からみることで、価値がかわる0−ーー。
番外編A投資家としての五感を鍛える
ネット取引だけでは投資家としてのセンスを養えない
ネットだけでは、大事な何かを見逃したり投資家に必要なセンスなどを養えなかったりする。
スマホで誰でも等しく得られる情報だけで投資判断を下すのは危険
そこで大事なのが、投資家としての五感を鍛えること。
五感を鍛える@現場に足を運ぶ
小売業や外食産業であれば、実際にお店に行くことでスマホでは得られない生情報を得ることができる
企業のIR等の情報は過去のものだが、現場で感じられるのは生情報
実際に現地に行って五感を働かせると色んな情報が手に入る
五感を鍛えるA株主総会に参加してみる
株主からの質問を誰が答えるか→社長自ら質問に答える企業はいい。
株主の質問の質について→配当性向についてよく質問する。やはり社長自身が回答できるかを見ている
五感を鍛えるBいろいろな人と交わる
同じ人とばかり付き合っていると、いつの間にか自分が見たいものしか見なくなったり、聞きたいことしか聞かなくなってしまう。
五感を鈍らせないために、普段属している会社や団体以外の幅広い人たちと交わることも大切
投資家の「視覚」を鍛える
人が周囲から得られている情報の8割は視覚からの情報
同じ数値の羅列を眺めていたとしても、会計に関する基礎的な素養がない人と、会計を少なからず理解している人では、そこから得られる学びは異なる
投資家の「聴覚」を鍛える
投資家としての聴覚とは、雰囲気や状況を察知する能力
売り場が熱気にあふれているとしても、若い女性ばかり並んでいるような状況だと運営企業は流行株で終わる可能性もある
流行株とは市場で投資家の注目度が高く一時的に大きく盛り上がっても短期間で終わり、業績もブームで終わったりする銘柄のこと
ネット上聴覚を発揮するとしたら、ツイッターなどのSNSのつぶやきなどをチェックするのもいい
ツイッターの検索で表示されるのは、googleのように検閲された情報ではないので、まさに今の情報の今の心理状況がわかる
投資家の「嗅覚」を鍛える
株式投資に求められる嗅覚とは、ピンとくるか、来ないか。いわば直感や予感だと思っている
ある銘柄へ投資するタイミングが正しいかどうかは嗅覚にかかっている
今は割高だとおもっても、何かにおうなぁと思った銘柄はとりあえず、100株だけ買って様子を見ている。
投資家の「味覚」を鍛える
投資家として味覚は、体験だと思っている。
ミシュランの星付きレストランをいくら読んでも、実際に料理を口にしない限り正当な評価はできない
食べ物に好き嫌いがるように、銘柄にも好き嫌いがある。これは実際に銘柄を買わないとわからない。
投資家の「触覚」を鍛える
投資家の触覚は投資に対する手ごたえだと思う。
スポーツの世界では、練習を重ねているうちに「これだ!」と思う瞬間がある。それが手ごたえであり、株式投資にも通じる
刑事コロンボのように五感で集めた小さな情報を組み合わせる
私は刑事コロンボの大ファンだが、コロンボと同様に五感を駆使して集めた小さな証拠を駆使していくことが、株式投資にもつながる。
断片化された情報はそれ自体意味を持たないが、複数の情報のお互いの関係が明らかになり、全体像がイメージできるようになると、有望な投資につながっていくと思っている。
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